お墓に使われる最も一般的な石は花崗岩ですが、御影石(みかげいし)という呼び名もあります。御影石はほぼ花崗岩(かこうがん)と同じ言葉として使われていますが、花崗岩が岩石分類上の科学的な名称であるのに対して、御影石は生活に密着した親しみやすい名前だといえるでしょう。

御影石という名前の由来は兵庫県の御影地方にあります。もともとはその御影地方で採れた花崗岩を指す言葉だった「御影石」が、いつの間にか各地の花崗岩にも使われるようになり、全国的に定着していったのです。

本御影石

この話を聞いて「瀬戸物」のことを思い浮かべる人もいるでしょう。愛知県の瀬戸地方で作られた焼きものを指す言葉だった「瀬戸物」が、いつしか日本各地の焼きもの全般にも使われるようになりました。御影石も瀬戸物も、言葉としてはよく似た広まり方をしたといえそうです。

御影石という言葉が各地に広まったため、もともとの御影地方の御影石を「本御影石(ほんみかげいし)」と呼んで区別するようになりました。「本家本元」というわけです。本御影石は淡紅色を帯びていて、遠目で見るとベージュ色に見えます。

御影石を色で分類した場合、白御影石、青御影石、黒御影石、赤御影石などと呼ばれています。「御影石」という名前が付いているこれらの石の中には、岩石学的には花崗岩に分類されない石も含まれていますが、どれもお墓によく使われている石です。

特に白御影石は墓石に使われる定番の石です。実際には「白」というより「グレー」ですが、お墓の世界では昔から「白御影石」と呼ばれています。うっすらと赤みを帯びた石は「桜御影石」とも呼ばれています。岡山県産「万成石」は桜御影石の代表格で、本御影石にやや近い色合いを持っています。

万成石

各地で採れる石にはそれぞれに呼び名があり、その土地の名を冠した「〇〇みかげ」という名称も数多くあります。