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青木石(香川)

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青木石(あおきいし)

◆ 採掘地・丁場

香川県丸亀市広島

◆ 主な特徴

細目の優しい目合いは人当たりが良く、独特の青味が特徴。硬質かつ粘りもあり、墓石用材はもちろん彫刻材、建築材などとしても使用されます。青口・黒口・白口など、丁場によって色目が異なります。

◆ 青木石の有名な使用例

金毘羅宮(こんぴらさん)宝物殿・社務所、瀬戸大橋記念公園のモニュメント など

青木石の岩質データ

分類:花崗岩

見掛け比重:2.641(t/m3)

吸水率:0.239(%)

圧縮強度:117.25(N/mm2)

気品を感じさせる石目 弘法大師ゆかりの銘石

青木石材協同組合  加盟の3丁場を見学

瀬戸内海に浮かぶ香川県丸亀市の広島は青木石の産地として知られている。青木石の歴史は数百年と古く、豊臣秀吉が大阪城を築城した際に使われたことに始まるといわれている。庵治石、大島石と並ぶ銘石として、西日本を中心に広くその名が通っている。細目のおとなしい目合いであるが、独特の青みが特徴で、硬質でありながら粘り気もあり加工しやすい石だ。

青木石が採石される広島は、丸亀港からフェリーで北に約40分の場所にある。最盛期には広島で少なくとも68丁場があったとのことであるが、現在採石が行なわれているのは10丁場(採石業者数9社)で、採石業者7社で青木石材協同組合が構成されている。今回の取材では時間の都合もあり、この中から組合に所属されている3つの丁場を見学させていただいた。
江の浦港から海岸沿いに西へしばらく走ると数分で島の西側に着く。このあたりには青木という地名があり、石の名前はそこから来ている。塩飽諸島の中では最大の面積を持つ広島であるが、島の外周は18・5㎞だから時速20㎞で走っても1時間程度で1周できる大きさだ。田畑や山林の間を縫うように山道を登るとすぐに最初の青木石の丁場が現れる。島の最高点は王頭山の312m。採石場のある場所の標高は決して高くはないが、四駆のトラックでしか登れない急勾配の山道だ。

組合参事の筒井政人氏に最初に案内してもらったこの丁場(有限会社丸松/松下忠則社長)ではジェットバーナーの轟音が鳴り響いていた。上から見下ろすと高層ビルの屋上からの眺めのようで、下へと掘り進められてできた丁場特有の断崖絶壁の光景が広がっている。切削の後の石肌にも銘石の気品が感じられた。  筒井氏によれば、青木石の丁場はアミダクジのように白い帯が入っているところが多いとのことで、それがなければ格段に生産性は上がるようだ。それでも現在は多くの丁場でワイヤーソーが導入されており、昔よりは歩留まりも格段に向上しているという。

有限会社丸松の丁場にて

 

次に案内してもらった丁場(有限会社三野石材店/三野智基社長)も、岩肌が採石の難しさを語ってくれる。現在は良質な層を切削するための丁場づくりが行なわれているところであったが、石目が詰まったきれいな目合いの乱尺材が置かれていた。「女性的な石」と形容されるのもうなずける気品だ。  墓石材として採石されている割合は9割。それ以外に記念碑や彫刻に使われるもの、建築・土木用のものも産出されている。建築・土木用の需要がもう少し増えれば、計画的な丁場づくりももっとスムーズに進められるようだ。

有限会社三野石材店 三野智基社長

有限会社三野石材店の丁場にて

 

青木石の魅力 PR活動にも注力

続いて案内してもらった丁場(斉藤石材砿業有限会社/斉藤純次社長)では、ワイヤーソーとジェットバーナーを併用して採石が進められているという。青木石独特の青みを帯びた乱尺材は、これから製品として加工されることがもったいなくも感じられるほどの美しさでもある。 女性的な雰囲気は青木石全体に当てはまる特徴であるが、それぞれの丁場によって青口・黒口・白口などの個性もある。西の大島石や東の真壁石のような流通量は現在ないが、銘石としてのネームバリューは今なお高い。

斉藤石材砿業有限会社 斉藤純次社長

斉藤石材砿業有限会社の丁場にて

 

また、一般の人にとって青木石の魅力を高めているのは、弘法大師ゆかりの地でもある讃岐広島で採れる石ということだろう。平安時代に弘法大師・空海が讃岐広島の青木地区にある心経山で修行したと伝えられている。 とはいえ、銘石としての伝統に甘えることなく、青木石材協同組合では積極的に青木石のPRに力を注いでいる。若手を中心とした業界人同志の交流など、石材業界へのアプローチはもちろん、讃岐広島の自然遺産・文化遺産をより広く一般の人に伝えることによって、間接的に青木石の存在を認識してもらおうという地道な努力も行なわれている。

見事な石垣で土台を組んだ旧尾上邸に連れて行ってもらった。大小不定形な石が目地なしで隙間なく積まれた石垣は江戸時代のものだという。ここまで隙間なくきれいに乱積みした当時の技術には驚かされる。  港へ向かう海沿いの道を走っていると、道端に建立された「いろは石」が目に入る。石碑に刻まれた文字は、島出身の書道家・藤本玄幽氏の手によるもので、筆二本で同時に書かれた二色の錦文字の面白さも相まって、石に刻まれた教訓が味わい深い。島内の主要道に約500m間隔で計45基の「いろは石」が建立されているという。素材はもちろん青木石である。

見事な石垣で土台を組んでいる旧尾上邸

島のあちこちで「いろは石」が見られる

こうした石を用いた遺産は、島の人々の人情味とも相まって、訪れる人の心を癒やしてくれる。島があり、人がいて、石がある。青木石のPRにもこの三位一体の魅力は欠かすことができない大きな特徴といえるだろう。

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