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足助みかげ(アラメ) (愛知)

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足助みかげ(アラメ) (あすけみかげ

◆ 採掘地・丁場

愛知県豊田市足助町

◆ 主な特徴

独特な石目、限りなくゼロに近いという吸水率の低さ、歩留まりの良さ、低価格が特徴。大材も豊富に採れ、外柵や建築材などとして使用されています。

◆ 足助みかげ(アラメ)の有名な使用例

靖国神社境内の遊就館 など

足助みかげ(アラメ) の岩質データ

分類:花崗岩

見掛け比重:2.69(t/m3)

吸水率:0.1(%)

圧縮強度:163.38(N/mm2)

〝加工石屋さん〟と 二人三脚の歩みで

歩留まりの良さや 独特の石目が特徴

岡崎市街地中心部から車で北へ約40分、豊かな自然が広がる愛知県豊田市足助町の則定地区で採掘されている「足助みかげ(アラメ)。」今回は、この地で二代にわたって採石業を営む嶺澤石材㈲を訪ねた。同社の石は、靖国神社(東京都千代田区)の境内にある「遊就館」、さらに長島温泉(三重県桑名市)のホテルにある露天風呂(一つ石で重さ45トン)などで使われていることでも有名だ。少し青みを帯びた独特の石目(模様)、限りなくゼロに近いという吸水率の低さ、そして硬さや艶のりの良さにも優れている。また、採掘量の9割以上を使用できる歩留まりの良さ、石質の安定性にも定評がある。

「いまはお客さんの約6割が岡崎の石屋さん」と同社代表の嶺澤秀和氏。その他、愛知県内の各地をはじめ、東海・東北・関西地方など、広い範囲で得意先があるという。価格も国産材としては比較的リーズナブルなことも特徴で、おもに墓石の外柵や建築材として重宝されている。

先代が築き上げた 丁場を守り続ける

創業者は、嶺澤氏の先代である父の昇氏。15歳でこの世界に入り、およそ5年の修業期間を経て同社を興した。若くして独立を果たしたこともあり、これまでに開発してきた山の数は10ヵ所以上に上るという。「自分も含めて、だいたいの人は1ヵ所くらいですよね。そう考えると、同じ石材組合の中でも親父ほど山を掘った数が多い人もいないのでは」と嶺澤氏。現在の丁場がある山も、先代が50代のときに見つけた山だ。

「この山を開発するときは、まだ下の道路をつくっている最中だったと聞いています。あるとき偶然、車で通りかかった親父が、ダイナマイトで割ったところに岩盤が出ているのを見つけたんです。それで裏に回ってみると、大きな石がいっぱいある。『これはいい』ということで、その足ですぐに山を下りていったそうです。」

話を聞いていると先代の行動力には驚かされるばかりだ。山を下りた先代は、地域の区長の紹介を通して、その日のうちに地所の持ち主と話をつけたという。 「それからすぐに機械や道具もそろえて。でも結局、正式な認可が降りるまでに1年かかっちゃって。親父はそういう、まったく後先を考えないタイプ。『これがダメだったら夜逃げだな』と言ってましたよ(笑)。」

嶺澤氏が後を継いだのは、ちょうどバブル景気が終わる頃。先代が引退してからは、妻の昭子さんが嶺澤氏の仕事を手伝っている。「仕事中はこっちが命令口調ですが、家では立場が逆転します。じゃないと晩飯がまずくなるからね(笑)」と嶺澤氏。昭子さんのことは、弊紙連載「丁場のおかみブログ」でご存じの方も多いだろうが、現在も夫婦水入らずで丁場を守り続けている。このことも嶺澤石材㈲の大きな特徴だと言えるだろう。

持ちつ持たれつの 義理人情を大切に

嶺澤氏の代になり、すでに18年。“山石屋”としてもっともやりがいを感じる瞬間は、丁場口を開けるときだという。「小割りじゃなくて、大きいやつですね。どうしたら発破がうまくいくかをずっと考え続けて、自分が思ったような石が出てきたときが一番面白い。『ばんざい』『やった』と盛り上がって、あとはひたすら掘り続けます。」もちろん失敗も数限りないという。そうして必死に掘り出した石が、加工する石材店によって商品になり、実際に使われている現場を目撃することが一番の喜びだ。

「たとえば淡路島とかに、自分が出した材料が座っている。ただ、そういうことも、うちの原石を切って磨いてくれる石屋さんがあってこそ」と嶺澤氏。“山石屋と加工石屋さんの関係は、いわば二人三脚でともに歩んでいくようなもの”と指摘する。「付き合いの長い石屋さんだと、どういう風に石を使うか、こっちもわかってますからね。だから石を持っていくときは、据えられた状態を想像して、石目の方向が自然に揃うようなものを選んでいます。そのことについて、納入先の石屋さんには特に何も言わない(笑)。黙ったままで、まさにあうんの呼吸ですよ。そういうことでお互いの価値を上げていくんです。」

かつて中国への逆輸入が注目されたときも、嶺澤氏は国内の加工業者との関係にこだわった。「もちろん、そういうことを全面に押し出すつもりはないけど、これまでずっとお世話になってきたし、もともと親父もそういう人だからね。」現在、丁場では長い山づくりの期間を経て、大きな岩盤が見えてきた状態になっている。その岩盤を見つめながら「自分のあたまの中で、ここを採って、あそこを採って、というのはおおよそ決まっていますね。もちろん、下にいくほど石を出しにくくなるけど、それでも今の丁場口で10年くらいはもつと思います。」

今後の目標を聞くと、「親父」という言葉が返ってきた。 「時々、昔に親父が助けたことがあるという石屋さんから、感謝されることがあります。機械も場所もあるけど、石がない。産地全体が忙しかったときに、石を売ってくれたのが親父だったそうで。  もちろん自分もまわりの人に助けられて今があると思ってますし、そういった持ちつ持たれつの義理人情を大切にしていきたい。これからは1人の山石屋として、助けるほうの人間にもなりたいなと思っています」。

嶺澤石材有限会社

愛知県岡崎市中伊西町冷田2
電話:0564-84-2857

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