石材のことが日本一わかるサイト / いしマガ

大倉みかげ(福島)

  • HOME »
  • 大倉みかげ(福島)

大倉みかげ(おおくらみかげ)

◆ 採掘地・丁場

福島県須賀川市

◆ 主な特徴

石目が安定し、整っている花崗岩。墓石材や建築材等で利用されています。開発当初から良質な石材に恵まれ、大材が採れることも特徴です。

◆ 大倉みかげの有名な使用例

大倉みかげの岩質データ

分類:花崗岩

吸水率:0.00%

硬度:00.00

安定した石質・石目 大材も採れる万能型

福島県郡山市の南に位置する須賀川市。その東部にある山で採掘されているのが「大倉みかげ」だ。採石場を訪れたのは春の彼岸を過ぎた3月の下旬だが、山に登るとまだまだ気温は低く、天候も急激に変わる。晴れ間が見えていたかと思えば、すぐに吹雪に包まれてしまう。

「大倉みかげ」を採掘しているのは、株式会社中原石材店(福島県田村郡)である。同社の中原貞一社長はこう語る。
「12月後半から4月前半くらいまでは丁場で採掘作業はできません。水が凍ってしまうので、ワイヤーソーも使えませんし道も凍ってしまうので石を運ぶことも難しくなります。当社の取引先の方々は冬場の山の状態をわかってくれていますから来年の春までに使う分は12月前半のうちに買っていただいています。」
同社がワイヤーソーを導入したのは約10年前である。それによって歩留まりが格段に良くなったとのこと。今後50年は十分に採掘できる埋蔵量はあるものの、貴重な資源を大切に扱っている同社にとってはもはやワイヤーソーなしでの採石は考えられないようである。採掘ができない冬場はそれまでのストック分を小割にするなどして、春の採掘再開に向けて備えていると語る中原氏。

「当社の取引先のほとんどが固定客です。昔からずっと大倉みかげを使っていただいている方ばかりですから、毎年どれくらいの石を買っていただけるのか、おおよそのところは把握できます。 丁場の仕事は3人でやっていますから、十分な石の埋蔵量はあっても無理な採石はせず、計画的に大事に大事に採っています。私のほかは40歳になる息子と58歳のベテラン職人が丁場に入りますが、私がいなくても現場を任せられるので、安心して別の仕事で動くことができます。」
福島や宮城などの東北はもとより、新潟、富山などの日本海側や、群馬などの北関東にも古くからの取引先を持つ同社。東日本だけでなく関西などでも大倉みかげは使われている。墓石(石塔・外柵)がメインであるが、建築や土木、彫刻など、幅広い用途に利用されているという。

石を大事に扱いたい

大倉みかげの最大の特徴は大きな黒玉がほとんどないことで、石目も整い、非常に安定した石質となっている。岩盤を見てもキズが少なくきれいな石肌が広がっている。歩留まりが良いこともリーズナブルな価格を可能にしているといえるだろう。そしてまた、長さ10mの大材が採れることも特筆すべき特徴である。玉やスジがなく、長尺物が採れることから、大きなモニュメントに使われる機会も多い。
「東日本大震災の慰霊碑が東北の沿岸部のあちこちで建てられていますが、宮城県名取市の慰霊碑など、いくつかの大きなモニュメントに大倉みかげを使っていただきました。大材が採れるという特徴をインターネットで検索して買いに来る彫刻家の方もいます」。
大倉みかげは角持ちが良く欠けにくいという特性もあるとのこと。そのため繊細な彫刻物でも加工しやすく、リスクが少ないようだ。飽きのこない石目は、どんな用途にも対応できる幅広い柔軟性があり、安心して使えるオールマイティな石種といえるだろう。

開発面積は約3万㎡。豊富な埋蔵量で安定供給されていることも大倉みかげという石が安心を与えてくれる点である。採掘できない冬場を除けば、石が採れないという状況に見舞われることもなく、ストックヤードには常に原石が確保されている。
「採石場は国有地にあるため、しっかりした採石計画書を提出しなければなりませんし、その計画に基づいて石を採らなければなりません。原石ストックは常になくならないようにはしていますが、前の年の12月に石が大量に出ていくので、採掘を再開できる4月中旬がやはり待ち遠しいですね。」

取材に訪れた3月下旬の採石場の岩盤は、その一部がまだ氷に覆われていた。寒冷地の採石場ではどこも似たような状況ではあるだろうが、約4ヵ月間はワイヤーソーを使うことができない分、残りの8ヵ月間はフル稼働状態だという。福島は多彩な石種が採れる全国でも稀有な県である。福島産の石は多彩で、どれも個性的な石だが、その中にあっても大倉みかげは品質と経済性の両面に優れている点に定評がある。幅広い用途に使えるその使い勝手の良さにおいても、固定客から長年支持されている理由があるのだろう。

「100%と言っていいほど玉が出ない石で、これほど品質の安定した石もなかなかないと思います。決して無理をせず、長く細く採石事業を続けていければいいと考えています。」
中原氏の言葉の端々から、石を大事に扱いたいという思いが伝わってくる。一社だけで、しかも少人数で採石されているため、大量に流通している石ではないが、それが逆に大倉みかげの支持層が離れない理由ともなっているのだろうし、古くからの顧客を大事にしている中原氏の姿勢も絆をより強めているようだ。国産のスタンダードな白御影石として長年重宝されている所以でもある。

株式会社中原石材店

福島県田村郡小野町小野新町字中通129
電話:0247-72-2045

日本の石ページに戻る ≫
トップページに戻る ≫

PAGETOP
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.