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稲田石(茨城)

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稲田石(いなだいし)

◆ 採掘地・丁場

茨城県笠間市

◆ 主な特徴

稲田石は、茨城県笠間市で採掘されている、花崗岩です。白御影とよばれるように、その白さが特徴です。

◆ 稲田石の有名な使用例

東京駅、明治神宮、笠間稲荷神社、茨城県庁 ほか

稲田石の岩質データ

分類:-

見掛け比重:2.63(t/m3)

吸水率:0.22(%)

圧縮強度:167.48(N/mm2)

 


茨城県産「稲田石」①

白い貴婦人と称される白御影石

茨城県笠間市で産出される「稲田石」は、言わずと知れた白御影石の代表的な銘石のひとつとして知られ、「白い貴婦人」と称されるほどの品のある白さが特徴となっている。稲田石は主に長石、石英、黒雲母の3つの鉱物で構成されており、白い色調を決定づけているのは6割以上を占める長石だ。調査結果によると、長石62.4%、石英33.7%、黒雲母3.8%という構成比となっている。

東京駅、最高裁判所、日本橋、茨城県庁舎、笠間稲荷神社など、関東の有名な建築物にも数多く使われてきた実績は、経年変化の少ない堅牢な性質と、どんな長尺物にも対応できる良質な岩盤、そして豊富な埋蔵量を物語っている。

大きな岩盤の輝くような白さが印象的でもある

 

ワイヤーソーを24時間稼働

現在、稲田石を採掘しているのは6社ほどあり、そのひとつが株式会社想石である。同社は明治32年創業の中野組石材工業株式会社の採石事業と、豊富な加工・施工実績を継承して設立。これまでの歴史を新たな時代へとつなぐ重要な役割を担っている。

「中野組石材工業さんから事業を引き継いで8年目となります。現在は23名体制で、採石事業は8名で行なっています」
と語るのは㈱想石の代表取締役である川畑真彦氏。採石・加工・施工までを一貫して行なっている同社では現在、墓石需要への対応に追われる日々が続いているようである。

良質な大材が採れる丁場の様子

「現在は月1.6万才~2万才のペースで採石しています。そのうち製品化できる石は25%で月4~5千才です。それだけの量は毎月出荷していますから、ストック分を作れない状態が続いていますね。特定のルートに出荷する墓石が現在の生産の中心になっています。山づくりのために火薬は使いますが、メインはワイヤーソーです。24時間体制で夜間もワイヤーソーを駆使して採石しています。

 

作業効率を高めて価格を維持

当社では10m×10m×5m(h)=500㎥をブロック単位にして毎月1ブロックを採石していますが、このスピードを1.5倍にすることが目標です。現在の価格を維持していくためには、作業効率を高めてコストを抑え、採算性を向上させることが必要だと考えています」。

墓石以外に、建築関係の注文にも対応している。最近では東京駅丸の内駅前広場で稲田石が使われたことは知られているが、その石畳や駅舎の改築部分に同社の稲田石が使用されている。長尺物のモニュメントや記念碑の依頼が舞い込むこともあり、昨年は5500×3900㎜のモニュメントや22尺の鳥居なども手掛けたという。

同社の工場では長尺物など特殊な加工にも幅広く対応している

「良質の大材が採れるのが稲田石の特徴ですが、当社では50トンまで動かすことができますので、ここでしかできないということで大きなモニュメントの仕事をいただくこともあります。どんな仕事にも対応したいと考えていますので、さまざまな機械を維持していく必要があり、そのためにも定期的なメンテナンスを怠るわけにはいきません。

 

丁場で活躍する石職人たち

当社では正社員の平均年齢は33歳という若さです。職人の高齢化に悩む石材業界の中では当社ならではの特徴かもしれないですね。
ベテランOBが指導に来てくれていて、技術力の向上に力を注いでいるところです」。

採石されている丁場を実際に見てみると、大きな岩盤の輝くような白さが目にまぶしい。瑕疵の少ない歩留まりの良さが稲田石の特徴のひとつでもあるが、それが岩肌からも感じられる。製造部門を担当している取締役の石塚達也さんによると「キズやムラのないきれいな大きな塊が採れたときの職人の喜びは大きいですね」とのこと。採石した石はすぐに出てしまうためにストック分を作れないのが悩みのようであるが、墓石需要が伸び悩む昨今ではありがたい悩みだといえるのかもしれない。

 

大型観光バスが立ち寄るインスタ映えする採石場

墓石、モニュメント、建築、社寺関係など、石製品の多様なニーズに、採石・加工・施工まで幅広く対応している同社であるが、実はもうひとつ展開している事業がある。それは採石場を活用した「観光事業」だ。

現在、採掘が行なわれている丁場の手前には、採掘を休止している丁場がある。「石切山脈」とも呼ばれているその丁場は、深い緑色を湛えた丁場湖となっており、その絶景をひと目見ようという観光客が急激に増えてきたという。

深い緑色を湛えた丁場湖が人気スポットとなっている

「以前からこの丁場では見学を受け入れていましたが、3年前に改めてPRを始めた矢先、東京新聞が記事で取り上げてくれました。それを皮切りに新聞各紙や旅行雑誌、航空会社の機内誌、絶景を集めた書籍など、多数のメディアで紹介され、予想以上の見学者が訪れています」と川畑社長。

観光事業を担当している取締役の市田洋三さんによれば「昨年の実績で2万4千人の方を採石場にご案内しました」とのこと。取材した日も長野からの観光バスが到着し、市田さんがメガホン片手にガイド役を務めていた。

インスタ映えする絶景を見に、多くの観光客が訪れるようになっている

「これまで北は北海道、南は広島からなど多くのお客様が来られています。『インスタ映え』する絶景ということで関心を持たれている方が多いですね。稲田石のことをまったく知らない方がほとんどなので、短い時間の中ではありますが、稲田石のことを少しでも知っていただければと思っています」。

「以前の採石場は火薬も使えるということで、戦隊物のテレビ番組の撮影のセットになることはありましたが、最近は映画や雑誌、音楽プロモーションビデオの撮影などにも使われるようになってきました。稲田石をPRしたい我々石材業者の目指すところは、新たな観光スポットを開発したい旅行会社や、観光需要を増加させたい笠間市と同じですから、お互いにメリットのある形でさらに協力していければ、地域の活性化にも貢献できるだろうと思います」と川畑社長。

採石場に隣接した広場には、稲田石を用いたオブジェがあちこちに設置されている。これはかつて開催された「いなだストーンエキシビジョン」の出展作品で、グラフィックデザイナーの原画をもとに、石の匠が稲田石を用いて制作したものである。これらのオブジェも採石場ツアーの魅力を高める観光資源になっている。

同社の観光事業はスタートしてから3年目となるが、手ごたえが十分に感じられてきたため、これから積極的に取り組んでいきたいとのこと。若い職人を育てながら、新しい発想でこれからの時代を切り開こうとする姿勢が頼もしい石材企業である。

 

株式会社想石

茨城県笠間市稲田4260-1
電話:0296-74-2112

株式会社想石・川畑真彦社長

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