竜山石(兵庫)

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竜山石(たつやまいし)

◆ 採掘地・丁場

兵庫県高砂市米田町から加古川市平荘町の一部

竜山石 黄色系の黄竜石(こうりゅうせき)

竜山石 青系の青竜石(せいりゅうせき)

◆ 主な特徴

黄色系の黄竜石(こうりゅうせき)、青系の青竜石(せいりゅうせき)とがある。宝殿石(ほうでんいし)とも呼ばれ・栃木県の大谷石に似ていますが、石質はそれよりも硬いといわれています。

◆ 竜山石の有名な使用例

生石(おうしこ)神社

竜山石の岩質データ

分類:凝灰岩

吸水率:0.00%

硬度:00.00

兵庫県高砂市米田町から加古川市平荘町の一部にかけて採掘されている「竜山石」は凝灰岩で、青・黄・赤色の三種あり、青竜石、黄竜石、赤竜石とも呼ばれている。また、採掘場の一角に竜山石をご神体にした神社「石の宝殿」があることから、宝殿石とも呼ばれている。

竜山石は昔から土木・建築材(間知石、張石、門柱、石塀)に利用され、「古墳時代の中期には、近畿地方の広範囲で王者や大豪族の墓として使われていた」という歴史研究者による調査結果もあるようだ。近年では主に土木・建築・記念碑などとして使用されているほか、産地では石灯りや花器、コーヒーカップ、湯のみ、ぐいのみなど、暮らしの中で活用できる製品づくりも行なわれている。

竜山石の採掘場の真ん中に日本三奇の史跡・石の宝殿「生石(おうしこ)神社」がある。この神社の御神体は、竜山石をそのまま四角にくり貫いた巨石建造物。幅6.4m、高さ5.7m、奥行き7.2mで、裏側に四角錐の突起がある。三方を岩に囲まれ、池に浮かんでいるように見えるため、「浮石(うきいし)」とも呼ばれている。

この石の宝殿、誰がいつ、何の目的で作ったものなのか分かっていないが、神社の伝説によると、神代の昔、大穴牟遅(おおあなむち)、少毘古那(すくなひこな)の二神が、出雲の国から播磨の国に来た際、石の宮殿を作ろうとして一夜で現在までの形を作った。しかし、途中で播磨の土着の神の反乱が起こり、宮殿造営を止めて反乱を鎮圧したという。そのため夜明けになってしまい、この宮殿を正面に起こすことができず、現在の状態になっている、と伝えられている。

竜山石は古より重宝されているブランド銘石であり、今も、その歴史をしっかりと刻み続けている。


兵庫県産「竜山石」

上品さと素朴さがあいまった やさしい表情・風合いの銘石

1700年以上採石され続けている

青・黄・赤という三つの色合いを持ち、上品さと素朴さが相まったやさしい表情・風合いが印象的な銘石「竜山石(凝灰岩)」。
兵庫県高砂市宝殿地区付近で採掘されていることから宝殿石とも呼ばれている。

古墳時代から1700年以上、採石され続けていることも大きな特徴で、古代には大王や有力豪族の石棺などとして使われていたほか、江戸時代には姫路城や明石城の石垣などに、近代においても皇居吹上御苑や国会議事堂、帝国ホテルなど、著名建造物にも数多く使用されてきた実績を持っている。

全盛期には大小100社ほどの石材業者がいたという竜山石産地も現在、採石業を行なっているのは3社とのこと。
その中の一つ、株式会社松下石材店(松下典生社長)を訪問させていただき、丁場の状況や同社の取り組みなどについてお話をうかがった。

株式会社松下石材店が採掘する「竜山石」の丁場

 

洗練された空間に彩りを与える素材

株式会社松下石材店の創業は明治5年。現社長の松下典生氏が五代目となり、専務の松下尚平氏が六代目として業務を引き継いでいる。
同社では5名の職人が在籍しており、140年続く竜山石の採掘・加工をメインに、墓石や各種石工事などにも対応している。

工場内では竜山石の切削音が響いていた

主に壁材・床材等の建築材として使用されている竜山石は、他にはない独自の表情・パステル調のやさしい色合いが特徴で、和・洋を問わず、洗練された空間に彩りを与えてくれる素材として広く認知されている。日本国内はもとより海外(パリ・ニューヨーク・ハワイ・オーストラリア等)の商業施設・ブランド店舗などでも数多く利用されており、石材業者をはじめ工務店、設計事務所等から継続的に注文が寄せられるケースも多いようだ。

京都や奈良などの名刹・神社仏閣にも数多く使用されており、文化財の修復・改修工事における需要、さらに護岸工事用の間知石など、幅広い用途で活用されている。

高砂市立図書館における竜山石の施工例(青・黄・赤三色の竜山石が使用されている)

 

竜山石を活かした多彩な商品開発

主にプロユーザー向けとして提供されている竜山石だが、同社ではエンドユーザー向けの商品開発にも継続的に力を注いでいる。食器や花器、石あかりなどをはじめ、アクセサリー商品も開発。若い女性から「かわいい」と好評を得ており、着実に販売実績も伸ばしてきているという。
また、熱伝導が良いこともあり、エステサロンからの依頼で血行やリンパの流れをよくするカッサを製作。温灸のように温めて使われているそうで、研磨した竜山石の肌触り・手触りの良さもあり、他のエステサロンからの引き合いも増えているという。
さらに、竜山石は調湿・消臭機能も持ちあわせており、竜山石の石粉を塗り壁材として利用されている事例もあるとのこと。
このように幅広い分野で活用実績を重ねてきていることも竜山石の持つ魅力・可能性だといえるだろう。

竜山石を活かした多彩な商品開発も展開

 

積極的に情報発信採石場でイベントも

現在、同社の六代目・松下尚平専務が力を注いでいるのが竜山石の情報発信だ。ホームページやSNSでの情報発信をはじめ、地元小学生らに採石場を案内する社会見学、高砂市の教育委員会主催による体験教室も開催。地域の子供たちに石割り・ものづくり体験を通して、竜山石の歴史や文化・魅力を感じ取ってもらうようにしているという。

また、コロナ禍における新たな情報発信として、オンラインビデオ通話アプリ「Zoom」を使った採石場・工場見学も開催しており、「リモートならば小さな子供さんがいる家庭や足の不自由な方、外出が難しい方でも参加いただけるメリットもあり、今後も継続して取り組んでいきたいと思っています」と松下専務は話している。

地元小学生らに採石場を案内する社会見学も受け入れている

 

竜山石は可能性に満ちた貴重な素材

株式会社松下石材店・松下尚平専務

松下専務は竜山石に込める想いを次のように話している。
「竜山石は1700年以上もの長い歴史はもちろん、独特の美しい色合いや表情・石の特性など、可能性に満ちた貴重な素材。この石の面白さや魅力を一人でも多くの方々に知っていただき、今後も長く後世へと繋げていきたいと強く思っています。そのためにも産業として魅力あるものにしていき、若い人たちが働きたいと思えるような会社にしていきたいですね」。

常に前向きな姿勢で竜山石への熱い想いを語る松下専務。その頼もしい姿が印象的な取材でもあり、今後の取り組みも注目していきたい。

 

株式会社松下石材店

兵庫県高砂市米田町米田791-1
TEL 079-432-3527
https://www.tatsuyamaishi.com/

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