ペグマタイトを探して ~福島県石川町立歴史民俗資料館~

名古屋石フリマ2018(東別院ホール)で、業者さんから「日本には3大ペグマタイト(鉱物が生まれる基盤のような岩)があり、岐阜県の恵那、滋賀県の田ノ上地方、福島の石川地方ですよ」との情報をお聞きしてから、ずっと頭に残っていた「ペグマタイト」の文字。

調べてみて「ペグマタイト=著しく粗い火成岩」というところまでは、わかったのですが、実際に見てみないとやはりイメージがわきません。

そんな時、石の神(?)の導きか、偶然、三大ペグマタイトのうちのひとつ福島県石川地方の仕事(仏教会の研修会の講師の仕事)に呼んでいただく機会に恵まれました。

そして、なんと!研修会の翌日、石川町立歴史民俗資料館で実物のペグマタイトを見ることができました!

【石川町立歴史民俗資料館にて。赤い丸で囲った部分が石川地方です。】

百聞は一見にしかず。まずは写真を見てください。これがペグマタイトです!鉱物マニアの間では、最近は結晶でもルースでもなく「母岩つき」がアツい!と言う人もいて、その「母岩」に相当するのがこのペグマタイトということになりましょうか。

 

【これが鉱物の母!ペグマタイトだ!】

実は、私は一年前から「鉱物ブーム(アニメ『宝石の国』でそのブームが加速していることは周知の通りです)を石材業界に活かせないか」と試行錯誤してきましたが、「そもそも鉱物と石材は違うだろう」という業界内での批判もありました。が、その接点をついに石川地方のペグマタイトに見出すことができたのです。感動です!

 

【石川のペグマタイトは県指定の天然記念物です】

この石川地方のペグマタイトについて、もっと詳しい情報が掲載された文献はないかな?と民俗資料館の鉱物専門員である山内祥行さんにおうかがいしたところ、三森たか子著『いしかわの石の物語』をご紹介いただき、購入いたしました。

 

【石川町教育委員会発行の『いしかわの石の物語』 民俗資料館で購入可能です。】

この文献によれば、石川地方のペグマタイトの特徴は以下のようなもののようです。

 

ペグマタイトとは、「もともと地下深いところにできた花崗岩マグマ」のこと。火山のように噴き出さず、地下深いところで冷えて花崗岩ができた後、残りの気体の多い物質は、地球上にあるいろいろな元素を溶かしこみ、圧力が高く高温なので、まわりの岩石の割れ目や隙間に入り込みました。それが何万年もかかって冷え、ペグマタイトになったというわけです。石川地方の大きなペグマタイトが地下一万メートルも深いところにできたのは一億年以上も前の中生代白亜紀です(つまり恐竜の時代)。(参考:三森たか子著『いしかわの石の物語』)

 

ペグマタイトが取れる地域は、鉱物がザクザク採掘できる場所なので、そのペグマタイトが豊富な石川地方で採れる鉱物の数々はバラエティに富んでいます。「見たこともないような珍しい鉱物」が浴びるほど鑑賞できるスポット、それが石川町立歴史民俗資料館なのです。

ペグマタイトの産地である福島県石川地方の人々は岩石と鉱物の両方を「石」として見ている日本でも珍しい地方、と『いしかわの石の物語』の著者である三森たか子氏は考察しています。

 

【イラスト:民俗資料館の鉱物専門員・山内祥行さん】

鉱物専門員という肩書きは鉱物マニア憧れの的。どこかしら宮沢賢治っぽい感じの山内さん。銀河鉄道の夜の登場人物にいそうです。

 

なお、この資料館、展示の仕方が都市部の博物館や商業施設に比べると、いい意味で朴訥なところがあり、鉱物好きとしては「こんな珍しい石がこんな間近で見られるとは」という驚きがありました。中には「なんじゃこりゃぁぁあ!」と叫びたくなるレベルの巨大鉱物がそのまま展示してあったりして、鉱物マニアならば一度は巡礼せねばならない鉱物の聖地であることに間違いありません。

石フリマや石のマルシェなど、ひととおりの石イベントを都市部で経験した鉱物マニアが、次のレベルアップのために向かうべきセーブポイントは福島県の石川町立歴史民俗資料館ですよ。ここを訪ねると経験値が貯まり、RPG風のレベルアップ音が3回くらい聞こえてきそうです!

 

【RPGのセーブポイントになりそうな巨大なスモーキークォーツ】

 

岩石と鉱物の境界線上の存在が多数展示されています。 うーん、勉強になるなぁ!

 

球状花崗岩も県指定の天然記念物です。

 

巨大なアクアマリン(緑柱石)もたくさん採石されています。

 

異物が入った水晶は鉱物マニアの大好物です。鉄電気石入りの水晶!これはアツい鉱物!鉄電気石は温めると静電気を発します。この設定からしてRPGに出てきそう。

 

二十四面体の自然結晶。うーん神秘的。MP回復できそう!