銘店“石屋”シリーズ  竹村石材(長野県安曇野市)

この仕事が天職
お客様の想いを全力投球でかたちにしていきたい。

長野県安曇野市にあり、県内外の幅広い地域でお墓づくりや建築の石工事などに携わっている竹村石材。地元では、市内にある長尾山平福寺の御用達としても知られている。
今回は同社の代表である竹村健太郎さんに、石屋を始めたきっかけや、お墓づくりのこだわり、お客様への想いなどをうかがった。

竹村健太郎(たけむらけんたろう)さん
昭和52年、長野県生まれ。石材施工一級技能士。
お墓の加工から施工(工事)までを自社で請け負い、卸メーカーと共同でトリプル保証も実施。「お客様に喜んでもらうこと」と「安心感を持ってもらうこと」を大切にしている。趣味のソフトボールでは3番サードを担当。スポーツを通して、地域との良好なつながりを育むことができているという。

 

――石屋を始めたきっかけなど、これまでの経歴を教えてください。

竹村 私は昭和52年生まれで、生まれも育ちもここ、安曇野市です。昔は野球をやっていて、高校時代は甲子園に出場したこともありました。一つ上の先輩がベスト4まで進出するような、とても野球の強い高校だったんです。
石屋の業界に入ったのは19歳のとき。最初は白馬のホテルで働いていたのですが、石屋さんが露天風呂をつくりに来ていて、「面白そうだなあ」と思ったのがきっかけです。それで、その石屋さんに「春から働かせてほしい」とお願いしまして、春になってから訪ねていったら「おまえ、本当に来たのか!?」と(笑)。そこから石屋人生が始まりました。

竹村石材が製作・施工した墓石の事例1

――独立なども含めて、大きな転機になった出来事は?

竹村 その最初の石屋さんでは、仕入れた原石を自分のところで加工して、施工もやってと、墓石(石材)に関することは何でもやっていました。もう、本当に楽しくて仕方がなかったですね。これこそ天職だと思いました(笑)。
そして、26歳のときに晴れて独立。その後のターニングポイントというと、建築の石貼り工事に出合ったことでしょうか。建築は、限られた工期で1㎜や2㎜の差にこだわっていく世界。墓石しかやったことのなかった当時の自分にとって、ものすごく刺激を受けたことをおぼえています。
自分でも建築の石貼りやタイル貼りを手がけるようになったのは、そんな経験があったからですね。こういった建築仕事の技術や経験は、お墓を施工する上でもかなり活かされていると思います。
あと、もう一つの転機といえば、10年ほど前から手がけている影彫り。ほかの社長さんがやっているのを見て、独学で始めました。最初はどういう機械を使えばいいのかもわからなかったので、何度も買い替えたりしながら・・・。そうやって、自分で考えながら行動していくのが好きなんですよ。おかげで今では、お墓へ納骨する蓋にその技術を活かしたりして、お客様からも大変喜ばれるようになっています。

竹村さんが手がけた花柄の影彫り

――ここでお仕事以外のお話も。なにか趣味などはありますか?

竹村 今はソフトボールと釣りに熱を入れているところです。とくに、この辺りはソフトボールが盛んな地域で、40歳以上の壮年と呼ばれるチームがいくつも活動しているんです。そんな中にナイターソフトというのがありまして、大会が始まると、40を過ぎたおじさんたちが一生懸命になって白球を追いかけるという・・・まあ、そんな感じです(笑)。
ソフトボールは野球とまったく違っていて、打ち方も守り方も、それに点の取り方も独特で、すごく面白いですね。あくまで趣味としてやっているものですが、このソフトボールのつながりから、お墓の仕事を頼まれたこともありました!

竹村石材が製作・施工した永代供養墓

――仕事上での一番のこだわりはなんですか?

竹村 施工や追加彫りなども全部自社でやっていますので、とにかくすべてのお客様、すべての仕事に全力投球であたることを大切にしています。あとは、お客様一人ひとりの想いをしっかりとかたちにしていくこと。そのために、最初はお客様と墓地や霊園に行って、これまで自分が手がけた仕事を見てもらい、イメージを共有していくことから始めています。
ただし自分は、いわゆる和型墓石などのような、決まったかたちのお墓はほとんどやらないんです。たとえ一般的なイメージと少し違っていても、残されたご家族の方々が「お参りに行きたい!」と思えるようなお墓にすることのほうが大切。さらに、そこに行けば故人を思い出せるとか、故人と会ったような気がするとか、そんな風に感じていただけるお墓づくりを心がけるようにしています。

竹村石材が製作・施工した墓石の事例2

――では最後に、これからの目標を聞かせてください!

竹村 この仕事を天職だと思った気持ちは今もまったく変わっていないので、これからも一人の職人として、ずっと石の仕事に携わっていきたいです。なにが好きなのかと言われると、うまく答えられないのですが、とにかく石というものが大好きなんです(笑)。
ですから、ほかの石工事もどんどんやっていきたいですし、なによりもお墓づくりを通して、お客様の想いとしっかりつながっていきたい。やっぱり自分にとっては、お客様から「この人に頼んで本当によかった」と思っていただけることが、一番のやりがいになっているんです。
そのためにも、まずは自分のことをたくさんの人たちに知っていただきたいと思っています。もしどこかで私を見かけることがありましたら、どんどん気軽に声をかけていただけるとうれしいです(笑)。

 

竹村石材

竹村石材では墓石の製作・施工をはじめ、墓石のクリーニングやリフォーム、石塀や石の階段・参道づくり、建築の石工事など、石に関するあらゆる仕事に対応しています。
(写真は竹村石材が担当した石工事の事例)

所在地:長野県安曇野市穂高有明5944-83
TEL&FAX:0263-83-4408

いしマガ取材メモ

「長野県内でも県外でも、仕事があればどこにでも行きます!」と話してくれた竹村さん。地元のお寺を通して仕事が入ったり、実際にお墓を建てた方から紹介されるなど、依頼は口コミが中心だとか。そんなところからも、多くの人に喜びや満足を提供している同社の人気のほどがうかがえます。
また、お墓づくりにおいて、「ご家族の方々の想いをかたちにすることを大切にしたい」と話す竹村さん。とても気さくで話しやすいタイプなので、「自分たちらしいお墓をつくりたい」「どんなお墓づくりになるのか興味がある」という方は、ぜひ気軽に相談してみてはいかがでしょうか。