ヨーロッパのほぼ中央に位置するスイス国境の南に北イタリアのトレント県があります。このトレント県では「斑岩」に分類される石材が多く採掘される渓谷地帯があります。各種石材が採掘される山々が冬にはスキー客で賑わうという多面的な要素を持ち合わせていることも、この地域ならではの特性かもしれません。

このトレント県のチェルミス渓谷が想定外の事故で国際ニュースとなったのが1998年2月3日のこと。米軍基地から演習に出たジェット機が小さな渓谷のスキー場のケーブルカーを切断してしまうという悲劇が起きてしまいました。チェルミス町の墓地のすぐ近くに、この事故によって亡くなられた方々を祀る祈念碑(赤トレント石製)が建てられています。

イタリアはスキー場の広さで世界2位を占めています。この事故はスポーツ界や観光セクターなどからの大きな懸念もあり、イタリア国会において特別調査委員会も発足され、イタリアがアメリカ合衆国との北大西洋安全保障条約を大幅に見直す契機ともなりました。

石材の採掘地も近くにあり、多くの観光客でにぎわうチェルミス渓谷にある祈念碑を見ながら、改めて、このような事故が二度と起きないことを祈るばかりです。