いつでもお客様の安心と信頼が第一

愛知県豊田市にあり、周辺の瀬戸市や東郷町、みよし市、名古屋市など幅広い地域でお墓づくりに携わっている田中生万石材店。創業は昭和43年。平成30年でちょうど50周年を迎えることとなった。同社は初代の田中生万(たかかず)氏が創業し、現在は2代目となる雅万(まさかず)氏と智万(ともかず)氏の兄弟が中心となって店を切り盛りしている。今回は兄の雅万氏に、お墓づくりに対するこだわりや姿勢などについてお話をうかがった。

田中 雅万(たなか まさかず)さん 昭和45年生まれ。昭和43年に創業した田中生万石材店の2代目。大学卒業後、自動車部品や建築の内装材を扱う会社に4年ほど勤務した後、実家の石材店を継ぐことになった。学生時代から野球をこよなく愛しており、今も高校野球・プロ野球観戦を趣味にしているという。

 

――はじめに創業から田中さんがお店を継ぐまでの経緯を教えてください。

田中 うちは祖父の兄弟の家系もみんな石屋さんなんですよ。昔は今の豊田市駅周辺に石屋さんが集まっていましてね。父も最初はそこにある実家の店で修業していたのですが、結婚を機に現在の場所に移って独立したんです。私が生まれたのは、その2年後にあたる昭和45年。子どもの頃は店も今より小規模でして、小さな作業場みたいなところだったのをおぼえています。

そして地元の高校を出た後に、神奈川県にある大学に進学。実をいうと、当時は店を継ぐつもりはありませんでした。ですから卒業後も神奈川県に残って、自動車部品や建築の内装材などを扱う会社に就職したんです。店を継ぐことを考えたのは、その4年後くらいですね。その頃は弟が父の店で働いていたのですが、相談してみると「一緒にやろう」と言ってくれました。ただ、畑違いの会社で働いた経験は、すごく役に立っていると思います。今でもおぼえているのは、当時お世話になった上司から教わった「まずは現場を見ろ」という言葉。その教えは今も大切に守り続けているんです。

――お墓を扱うプロとして、とくにこだわっていることはありますか?

田中 なるべく新しいことを積極的に取り入れていこうと思っています。当社でお客様へのプレゼンや墓石の図面作成用のCADを使い始めたのが平成13年。業界でもまだあまり使われていない時期でしたし、何より高価でしたから、最初はまわりにも反対されましたね(笑)。でも今となっては、このCADがうちの大きな武器になってくれています。

そのほかの例ですと、早い段階で墓石用の接着剤や地震対策アイテムの導入、お墓を建てる場所の地盤の改良を始めたり。ホームページも平成18年頃からスタートさせました。それから最近ですと、お客様への連絡の際にLINEを使うケースも増えてきています。メールよりも簡単なので、お客様へのご報告・ご連絡もスムーズに行うことができています。

――田中生万石材店におけるお墓づくりの基本的な流れを教えてください。

田中 お客様からお墓づくりのご依頼がありましたら、先ほども申し上げたとおり、まずは現場に足を運びます。墓地によっては勾配があったりすることもありますし、両隣のお墓とのバランスを見ながら墓石の大きさや高さを決める必要もあります。また、搬入経路なども現地でしっかりと確認した上で、お見積もりをお出しするようにしています。

CADで製作する提案用の図面は、デザインや石の種類に合わせて平均で6パターンほどつくります。ただし、どれを選ばれるかはお客様次第。あくまでもお客様の希望を第一に進めていきます。そして実際に施工が始まってからは、工事の内容をなるべくその日のうちにご報告します。また、お墓ができてからも、最初の年と3年後、6年後、9年後にそれぞれ無料点検・清掃を行うようにしています。

いずれにしましても、常に心がけているのはお客様のことを第一に考えること。施工中のご報告やアフターフォローも、最後まで気持ちよくお付き合いしていただける、そんな関係づくりを目指しています。現場に足を運ぶこともその一つ。最初にきちんと見ておかないと、後から見積もり価格と違ってしまうようなことが起きるかもしれない。お客様の安心や信頼を損なうことだけは絶対に避けたいと思っています。

――これまで様々なお墓づくりに携わってきた中で印象に残っているエピソードはありますか?

田中 たくさんありますが、その中で一つあげるとすれば、幼いお子様を亡くされてしまったご両親からのご依頼です。そのときは20種類くらいの図面を出しまして、とことん話し合った上でお墓づくりを進めていきました。そのおかげもあって、お客様が心からご満足いただけるようなお墓をつくることができたと思っています。完成したお墓をご覧になられたとき、奥様は号泣されていらっしゃいました。旦那様からも握手を求められまして「ありがとう」とおっしゃっていただき、あのときは、私も人目をはばからずにもらい泣きしてしまいましたが、お墓の大切さを改めて教えていただいた機会にもなりました。

――最後に、田中さんが考えるお墓の良さや石材店という仕事の魅力について聞かせてください。

田中 やはりお墓というのは、誰にとってもほっと落ち着ける場所なのではないでしょうか。それにお盆などのお墓参りでは、家族や親族がみんなで集まることもできます。小さなお子さんも一緒にいたりして、ああいう場面を見かけると、こちらまで心が安らいできますね。そういった皆さんにとって大切なものを扱うのが、私たち石屋の仕事です。そのことに大きな責任を感じるとともに、ほかの仕事では味わえないような喜びも得られます。

今後の目標は、できるだけ長くこの仕事を続けていくこと。お墓を建ててからも、ずっと後にまで「あそこに頼んで良かったね」と言われるような石屋さんを目指していきたいと思っています。

 

田中生万石材店

所在地:愛知県豊田市日之出町2-4-22
TEL:0565-31-1408
ホームページ:http://www.ikuman-boseki.com/
主な業務内容:墓石販売、 墓地外柵工事、 お墓リフォーム、戒名・法名彫り、墓地紹介、ペット用メモリアルプレート作成、石材小物(動物彫刻品等)販売

いしマガ取材メモ

田中さんの持ち味は、穏やかで話しやすい人柄とともに、常に新しいことに挑戦していく姿勢。インタビューで触れた以外でも、平成16年に取得した「お墓ディレクター1級」の資格をはじめ、業界展示会にも積極的に足を運び、そこで見つけてきたさまざまな新製品・アイデアをいち早く導入・実行に移しています。もちろん、そういった数々の取り組みはすべてお客様を思ってのこと。さまざまな工程で手間暇を惜しまない仕事の丁寧さも含め、「いつでもお客様のことを第一に考えています」という言葉が印象的でした。