この企画では、彫刻家が感じている「石の魅力とは何なのか?」、「なぜ石で彫刻を作っているのか?」ということをお聞きしていきます。今回は新潟県十日町市で開催された「第20回十日町石彫シンポジウム」で、大野春夫さん、福田豊さん、石川直也さんの三人にお話を聞かせてもらいました。

――大野さん、福田さん、石川さんが考える「石の魅力」とは?

大野さん「石は素材としてものすごく存在感がある。まず第一に存在感があって、そこから始まるって感じです。粘土の作品をブロンズにすると同じ作品でも30%位パワーアップして見えるって話をした方がいますが、石ってもっと圧倒的に何も彫らない状態から強かったりする素材なのが魅力ですね」

福田さん「石は自然を感じる。彫っていると自分が自然の中で生きているんだなぁ、生かされているんだなぁという気持ちになって、すごく嬉しくなります。彫っている時は自分の細かい悩みだとかちっぽけなことを忘れて大きい気持ちになれることが魅力ですね。 時間を忘れて無心になれる様な時間が多いかなと思います。彫るのは大変だし、重いし、やっているのが嫌になるんですけど、少し経つとすごくやりたくなってくる素材です」

石川さん「僕にとっては石を彫ることが制作の原点になっていて、物作りの根源性を感じさせる素材って感じがするし、物を作りたい気持ちを反映してくれる素材だと感じています。石で作品を作る制作過程が好きですし、物を作りたいと思う衝動があれば石が手助けしてくれる部分が多いかなと思っています」

とおっしゃっていました。

――十日町石彫 シンポへの想い

今年の公開制作は7月26日~8月17日の23日間で、大野さんは幼い時に影響された女神像を作りたくて制作。

「昔見た記憶から」を制作する大野さん

福田さんは未来を見つめている子供をイメージし、子供に未来を託す、生命力あふれる様な感じの作品に。

「これから来る時へ」を制作する福田さん

石川さんは日常の中の風景を石の形を活かして制作されていました。

石川さんの「日常‐猫と花‐」

十日町石彫シンポジウムは20回をもちまして終幕を迎えました。私は第11回から10年間毎年会期中に行っていたので、色々な思い出が頭をよぎります。ちょっと悲しい気持ちになりますが、市民ギャラリーを作るような案もあり、小品展なども開催したいと皆さんおっしゃっていましたので、来年以降も来ることがありそうな予感がします。

私は制作を開始された4日目に伺ったのですが、8月17日の最終日は記念式典祝賀会へ参加のため再び十日町を訪れました。制作会場では除幕式が開催され、参加作家の皆さんのホッとした笑顔が印象的でした。

夕方からは記念式典祝賀会が開催。実行委員長の小林順二さん、コーディネーターの藤巻秀正さんらが色々な思い出を踏まえながら挨拶をされました。

宴会の途中からは第1回目からのスライドショーが始まりました。映し出された写真をご覧になって“あ◯◯さんだ、懐かしい~”などと当時を思い出した様子で盛り上がっていました。祝賀会は参加作家も大勢出席され、最後には参加作家の皆さんがステージに上がり第1回参加の野上公平さんが代表で挨拶されました。

今年の十日町は彫刻だらけって感じで面白かったです。ギャラリー6坪では恒例の第20回参加作家小作品展が開催。十日町駅東口公園では第20回記念行事「歴代参加作家展」が開かれて、歴代作家58名の小品80点が展示されました。

星と森の詩美術館では「十日町石彫プロムナードの作家たち」の4人展が9月28日まで開催されています。

これまでのシンポジウム参加作家の中から市川明廣さん、西巻一彦さん、原透さん、渡辺忍さんの4人の作品が展示されていますので、ぜひお越し下さい。