かつての霊園といえば、ほとんどが白系か黒系の石材(主に御影石)で建てられていたのに対し、最近は緑、茶、赤などの色味のある石が多く用いられています。この変化は、和型から洋型へという墓石の形の変化と並行していると言えるでしょう。

和型の場合は、従来からの白系・黒系、その中間的なグレー系が主流で、桜御影石と呼ばれるベージュ系や緑系の石も一部にはありますが、石種はかなり限られている傾向です。ところが、洋型の場合の石種は多種多様で、特に、赤系(インド産のニューインペリアルレッドという石など)、茶系(これまたインド産のマホガニーという石など)、ピンク系(中国産のG663という石など)といったように、暖色系の石材が数多く用いられています。

なぜ洋型に暖色系の石材が多く用いられているのでしょうか。それは「温かさ」や「柔らかさ」が求められているからで、「厳かさ」が求められている和型との違いがここにあるように感じます。最近の洋型の多くにアール加工(曲線)が施されているのも同じ理由でしょう。

平成以降、多くの墓石が中国製品にシフトしていきましたが、それもまた最近の石材の色味を大きく変えるものになった要因になりました。国内産の石材に比べ、外国産の石材は色に特徴のあるものが多く、これらの世界中の石材が中国で加工されているためです。

外国産石材の中で、インド産の石材には、赤系石材のニューインペリアルレッドをはじめ、幻想的な縞目模様を持つ紫系のバハマブルー、うず巻きのような模様に特徴のある茶系のパラディソなど、非常に個性の強い石材も数多くありますが、こうした石も洋型だからこそマッチするものとも言えるでしょう。

もちろん、今も国産石材が根強い人気を持っていることは言うまでもありませんが、洋型墓石の普及、中国製品の浸透により、石材の多様化が進み、色味のある墓石が増えていった流れの中で、外国産石材の割合が増えていきました。また、多様化の流れの中で、最近ではガラスやブロンズなどの石材以外の素材も一部で使われるようになってきています。