内藤理恵子の「石のおもしろ見聞録」Vol.2 ~そうだ!石の都、岡崎に行こう!~

私は愛知県尾張地方の出身ですが、なぜか、愛知県三河地方の岡崎市に縁があります。

大学卒業後に似顔絵師として初出店することになったショッピングモールが岡崎にありました。数少ない友人が岡崎市民であり、岡崎に行く機会がありました。しかし、最近まで岡崎市の「石工団地」の存在は全く知らず、初めて耳にしたのは、東京ビッグサイトで日本石材工業新聞の編集長と出会った時のことでした。日本石材工業新聞社は岡崎の石工団地にある……と聞き、石工の団地?そんな聖地があるのか?と驚いた記憶があるのですが(現在は『鉄腕ダッシュ』の放送の影響か、その知名度もうなぎ上りです)実際に行ってみるとそこには石の作品の展示販売はもちろんのこと、数多くの石工さんが住んでいました。

では、なぜこの地に石工さんたちが根付いたのか。日本石材工業新聞の山口編集長に尋ねると、岡崎石製品協同組合連合会の「組合設立100年記念誌」を手渡してくれました。その資料によれば、豊臣秀吉によって徳川家康が関東に移封され岡崎城主が田中吉政となり、その吉政が城下町整備に関わる堀や石垣の築造に必要な石工を河内や和泉から招き、城下の瑞念寺がこれを保護したことが起源のようです。江戸時代には30戸ほどの石屋町があったと言いますから、歴史マニアから見ても、胸アツの歴史ある町です。

とはいえ、歴史マニア、石マニア含め一般の人たちが気軽に石工団地に遊びに行くには少しハードルが高く、石工さんと気軽に触れ合える機会はそう多くはありません。「団吉くん祭」毎年4月か、もしくは「岡崎ストーンフェア」(石工団地以外からの出展も多くあります。石工団地ではなく乙川河川敷での開催。毎年10月)が開催される時が、石工さんと交渉して名作が買える良い機会だと思うのですが、今はまだ、このイベントが全国的に広く知られていないことが残念です。

まずは、石の作品に先んじて、岡崎の(もしくは岡崎ゆかりの)イケメン石工さんたちの画像からご覧下さい。

<岡崎で修行され、現在は東京大田区の石材店で活躍中の會澤正夫さん。24歳。オリエンタルラジオのあっちゃんと藤森を足して割った感じの都会的な石工です。第53回技能五輪全国大会優勝、愛知県知事賞4回受賞の腕前です。>
<石工団地の彫刻店、「石彫の戸松」の戸松政洋さん。真田広之のような、いかにもイケメンなイケメンです。狛犬制作を得意としています。>

<戸松さんのお店で修行中の若手ホープ。彼がユニークなのは前職(果物の行商)の時に悪魔に興味を持ち、石工になってからバフォメット(有名な悪魔)の石像を制作したというところにあります。バフォメットの像を購入希望の方は岡崎石工団地内、「石彫の戸松」までお問い合わせください。>
<個人的に推している小野石材店さん。お顔もどこかユニークですし、何より性格が優しい人です。>
<ゲームにたとえるならばラスボス的存在、坂口石材工芸の坂口登社長。見るからに強そうです。>
<吉田石材の吉田秀徳さん。大きな鳥居を制作しているだけあって、背中が美しいです。>

このように、石材業界は実は、イケメンの宝庫。数年前に「美坊主」が持てはやされた時期もありましたが、今や時代はイケメン石工!日本石材産業協会ではWEB上で「石工男子」というサイトも運営しているのでそちらも併せてどうぞ!(「石工男子」のサイトはこちらから ≫

なにやら連載2回目にして煩悩MAXモードになってしまいましたが、次に、私が「岡崎ストーンフェア2017」で出会った石の作品の数々をご紹介します。なお、岡崎が誇る名匠・清倉石像彫刻の倉田五夫さんが制作したバサラの写真も掲載させていただきましたが、誰しもが名手と認める倉田五夫さんのインタビューは本紙・日本石材工業新聞の墓石業界見聞録に掲載します。

<そして、誰もが認める名匠・清倉石像彫刻の倉田五夫さんが制作したバサラ>
<個人的に購入した弥勒菩薩・倉田さん作。実は、倉田さん制作の弥勒菩薩像、個人的に買っちゃいました!これで私も石仏オーナーデビューです。あなたも石仏オーナーデビューしませんか?詳しくは本紙をお読みください。>
<「磯貝彫刻」の走るチワワ。躍動感あふれた作品です。>
<「AZ BRAND」の新作。波乗りのブルちゃんです。愛知県知事賞(2017)を受賞。>
<磯貝彫刻の走るチワワ、アズブランドの波乗りブルドッグ、石彫の戸松のバフォメットでフォーメーション組んでみました。>