銘店“石屋”シリーズ  株式会社丸友石工(北海道美唄市)

お客様の悩みを解消し、丁寧にお墓を建てるのがやりがい

夏冬の寒暖差が激しく豪雪地域でもある美唄市で、そのような厳しい環境のなかでも長く美しさを保てるお墓づくりを追求している株式会社丸友石工。これまで数多くの建墓実績を持っており、女性姉妹が活躍している石材店としても知られています。それぞれ個性豊かなお三方に、仕事で大切にしていることなどについてお話をうかがいました。

写真左から太田惣さん、太田利枝さん、高橋千恵さん

【プロフィール】
昭和57年に創業し、現在は2代目の代表取締役である太田惣(おさむ)さん、創業者の長女で惣さんの奥様でもある太田利枝(りえ)さん(姉)、そして創業者の次女である高橋千恵(ちえ)さん(妹)の3人で経営されています。利枝さん(姉)が営業などを一手に引き受け、現場仕事は丁寧さを大切にする惣さんと気配りの行き届く千恵さん(妹)が担当しています。

――まずは会社の歴史について教えてください。

惣さん 創業したのは昭和57年。先代が30代前半のときに、それまで働いていた石屋さんから独立したのだと聞いています。建築系の石の仕事もやっています。

利枝さん(姉) ちょうどこのあたりの地域の墓地が、木の塔婆から石のお墓に変わっていく時期でした。朝から原石を運ぶトラックが工場へ何台もやってきて、24時間休みなしで稼働しているような時代だったのをおぼえています。

惣さん 当時は年間で150から160基くらいのお墓を建てていたそうです。それで社員がどんどん増えていき、石を加工する機械も次々と導入した上で、昭和61年に法人化。私は妻と結婚してから3年目くらいの平成24年に前職をやめて、2代目になりました。

㈱丸友石工が製作・施工した墓石の事例①

――現在は惣さんと奥様の利枝さん、そして奥様の妹である千恵さんの3人態勢とのことですが、男性が多い業界の中で姉妹が活躍しているのは少しめずらしいですね。

利枝さん(姉) 実をいうと、この3人で一番経験が長いのは、23歳くらいから父の現場仕事を手伝ってきた妹なんです。

千恵さん(妹) 私は強くて優しい父が大好きだったので、一緒に働けることがすごくうれしくて(笑)。

惣さん 今は、私と一緒に現場仕事をやってもらっています。現場でのモットーは、しっかりと時間をかけて丁寧に施工すること。そこに女性ならではの細かい視点や気遣いが加わるので、その分だけ、さらに行き届いた丁寧な仕事ができていると思います。

利枝さん(姉) 妹は土のうを片手で持ち上げられるくらい、すごく力もあるんです。それで女の人が一生懸命にがんばっている姿を見られた方が、応援してお客様になってくださることもあって。現場で働いている妹の存在が、うちのちょっとした広告塔にもなっているんです(笑)。

 

――ここで少しプライベートの質問を。皆さんの趣味や特技はなんでしょうか。

惣さん 私は野球ですね。うちは父も野球好きで男3兄弟でしたから、物心ついた最初のクリスマスプレゼントがグローブだったんですよ(笑)。それで小学校から大学まで野球をやって。今は甥っ子が来たら一緒にキャッチボールするくらいですけどね。

利枝さん(姉) 私はスマホやパソコンのグーグルアースで、いろんな墓地を探すのが楽しくてしょうがないんです(笑)。けっこう詳しくなったので、お客様に墓地を伺って、即座に「あの踏切を渡ったところですか?」なんて答えられることもありますよ。

千恵さん(妹) 私は小学4年生から中学3年生まで空手をやっていました。もともと体を動かすのが好きですし、賞をもらったりして練習の成果が出たときの喜びは、何物にも代えがたかったです。それにカラオケも好きで、よく昔に流行った曲なんかを歌っています(笑)。

㈱丸友石工が製作・施工した墓石の事例②

――先ほど、丁寧な施工にこだわっているというお話がありましたが、そのほかに仕事で大切にしていることはありますか?

惣さん いつもチラシなどに「相談したくなる街の石屋さんを目指します」と書いているのですが、その言葉どおり、お客様からのご相談にはできるだけ時間をかけています。それこそ1から10まで全部のご質問にお答えして、不安をすべて解消していただけるように心掛けています。

利枝さん(姉) そのような姿勢を大切にしていることで、いろいろな不安を抱えてご来店いただいたお客様も、帰るときには心配そうな表情が消えていることも多いですよ。

惣さん あとはお客様が忘れていることや、うまく質問できないことなんかも、「こういうことが聞きたいんじゃないかな」と思ったら、こちらから持ちかけてみたり。

千恵さん(妹) もしかしたら、お客様が何年も悩んでいることや先延ばしにしていることでも、私たちだからこそお伝えできることがあるかもしれない。相談していただけることは私たちにとってうれしいことでもあり、お墓に関することなどで、少しでも気になることがあったら、ぜひお気軽にご相談いただけましたらと思います。

㈱丸友石工が製作・施工した墓石の事例③

――最後に、お墓づくりのやりがいや今後の目標などを教えてください。

惣さん この仕事のいいところは、お客様の顔がきちんと見えること。そして、いいお墓ができたときに感謝していただける。自分にとっては、そういうことが一番のやりがいになっています。

千恵さん(妹) 「人が集まるお墓づくり」というのも当社のコンセプトですが、ご家族などでお墓参りされている姿を見ると、本当にうれしくなります。これからも皆さんがお参りに行きたくなるようなお墓づくりを大切にしていきたいと思っています。

利枝さん(姉) 私はお墓をつくっていくことも守っていくことも含めて、お墓に関わっていけることが最大の喜びです。たぶん、それは私の父も同じだったと思います。ただ、父は和型のお墓一本でしたけど、私たちは洋型のお墓を取り入れたり、時代に合わせていくことも大切だと考えています。その上で、たとえば「10年後になって、周りのお墓と比べたときにどうだろう?」といったことも考えながら、長く大切にされるお墓を建てていくことが目標です。

 惣さん これからも家族3人の総力戦で、どこよりも丁寧に、真心をこめてお墓をつくっていきたいと思っています。

 

株式会社丸友石工

所在地:北海道美唄市大通西一条南6丁目1-5
TEL:0126-68-8881 FAX:0126-62-6897
http://marutomostone.com

いしマガ取材メモ

丁寧な仕事を何よりも大切にしている真面目な惣さん。明るく元気いっぱいで、頼れる姉御肌といった雰囲気の利枝さん(姉)。そして、より良いお墓づくりを目指し、現場仕事に打ち込む千恵さん(妹)。それぞれに長所を活かし合いながら、アットホームに家族経営されている様子が印象的でした。
そして何よりも、お客様の相談にしっかりと耳を傾け、時間をかけて、綿密にお墓を建ててくれるのが魅力。お墓に関して悩みを抱えている方や心のこもったお墓づくりを求めている方に対して、必ずや期待以上の答えを出してくれるはずです。